船引町の「お人形様」

最終更新日2000/08/21

船引町は、町の中央部に片曽根山 別名「田村富士」があります、その秀麗な姿から田村富士と呼ばれています。

山頂付近には片曽根三十三観音、北麗の福祉センター周辺には、バンガローやアスレチック施設、野仏の山、歴史民族資料館 があり、登山やキャンプ、いも煮会にも最適。パラグライダーで空の散歩も楽しめ ます。


●お人形様

身の丈4メートル。腰に刀を差し、手に薙刀(なぎなた)をもった大鬼の形相の大人形・・・それが「お人形様」です。

昔は、三春より小野を通り平(現在のいわき市)に行く道路を「磐城街道」と呼び、この街道沿いに5ヶ所祀られて いましたが、

現在は船引町の屋形・朴橋・堀越の3体となっております。

お人形様は、その昔から無病息災、厄除の守護神として厚い信仰を集めております。

皆さんも一度、その迫力ある姿に祈願してみてはいかがですか。

 屋形のお人形様 朴橋のお人形様 堀越のお人形様

●屋形の「お人形様」

屋形の「お人形様」所在地 船引町大字芦沢字屋形217

このお人形様は芦沢の屋形部落に祀られてあるものです。

往時、三春町から芦沢、七郷の風越峠を越えて平市(現在のいわき市)に行く道路を「磐城街道」と呼び、この街道筋の三春町 芹ヶ沢、船引町の光大寺と屋形、朴橋、そして堀越に人形様が祀られてあり、人々は、これを「磐城街道の五人形様」または 「七里が沢の五人形様」と呼んでいたと伝えられています。

現在、むかしのままで残っているのは屋形部落と朴橋部落と堀越の3つのみで、ここの部落の人たちは毎年陰暦の3月15日に 「お衣更え」と言って、お人形様のお顔を「砥の粉」(茶色)「ベンガラ」(赤色顔料)「胡粉」(白色顔料)などを用いて 化粧したり、髪の毛としての杉の葉を取り替えたり、菰(こも)や縄の飾りをすべて新しくしてお祭りを致します。

何時頃から祀られたものか詳らかでありませんが、幟(のぼり)には「文化15年」とありますので、今から凡そ160年位前 で仁孝天皇の御代、慨に祀られていたものと考えられます。

伝承によりますと悪疫が流行し、私たちの祖先は、その苦しみから逃れたいため、悪魔を追い払うという素朴な祈りから祀った と言われております。

祭神は幟(のぼり)に「天由布都々神」(あめのゆふつつのかみ)とありますので、「ゆふづつ」はお星様の大白星、つまり 金星のことであり「牛頭天王様」の「天王」と同じで、これにかかわりのある「須佐之男命」(すさのおのみこと)であろう と言われております。

皆さん、心の中の悪魔を払い、家中の無時息災をこの「お人形様」に祈念してください。

文献は屋形お人形様 氏子 より引用させてもらいました。


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