up date 2000/05/24
阿武隈山地の西縁にはぺグマタイトの細脈が多数走っている、東和町も含まれており昭和30年代には多くの鉱山が
就坑して長珪石を採掘していた、現在は地元を訪れても当時の状況を知っている人も少なくなってしまった。
鉱山の規模も小さかった為に、現在は鉱山跡もほとんどが形跡も解らなくなっています。
★海方作
東和町太田海方作
海方作の坑口脇ぺグマタイト | 海方作の坑跡 |
坑口近くに道路が整備されズリのほとんどは埋められてしまった、近くの小川に少量のズリの転石が確認出来る。
★熊久保
東和町戸沢熊久保
熊久保の鉱山跡は杉林 | 道の脇の鉱石 |
現在、鉱山跡は杉林になっている、約5年間採掘したが鉱脈に当るまでしばらく掘ったらしい。
★柏久保
東和町戸沢伏返柏久保
柏久保の鉱山跡は頂上部 | 柏久保の坑跡 |
柏久保のズリ |
ここの産状は特殊でぺグマタイトを形成する成分がそのまま固まらず吹き飛んで出来た転石タイプである、山のあちこちに
ポツンポツンと数十t〜数百tの塊になって散らばっていた、ここのぺグマタイトはポケットタイプと言われ四角形の格子状
の結晶が認められる特殊な物であった、約3年間採掘した。
★熊野谷
東和町戸沢熊野谷
建て直した八幡様 |
熊野谷は約5年間採掘していた、八幡様の下を掘るのに一度八幡様を解体し採掘した、ここの鉱石は選鉱しなくとも良いくらい
品質がよかった、採掘終了後に神社を建て替えた。
★十郎内
東和町戸沢十郎内
坑口跡は杉林 |
十郎内は約10年間採掘したが出水が多く採掘を止めた。
採掘により、近くの家の井戸が枯れ水が出なくなり井戸を掘り直した。
現在は、坑口跡は杉林になっており水神様が祭られている、坑口は塞がれて解らなくなっていますが地下で坑口より湧き出す水が
国道の下を横切り川に流れている。
東和町内には、他にも長珪石鉱山があったようである、戸沢の稲場などにも鉱山跡がある。
羽山では、みかげ石(花崗岩)を採掘していた。又この山には石灰岩(方解石及び米石)があり石灰岩に花崗岩が接触した部分に
小規模なスカルンが出来ているのが見られおもしろいと思う。ここより微小な緑色・茶色・黒色のスカルン鉱物を採集している。